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ニカラグアCOE受賞の農園を訪れて・・・

10月22日現在販売しているニカラグアのカップオブエクセレンスを受賞したシプレス・デ・ロマ・ フリア農園に行ってきた時の農園風景を写真を踏まえながら紹介したいと思います。ちなみにここの農園主はエミリオさんです。 Cut2006_1022_1017_09
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ニカラグアはなかなか馴染みがない国かもしれないので、地図でご紹介♪ 北アメリカと南アメリカに挟まれた中米の国のひとつです。 左の地図で言えば、ベージュ色に塗られた国で、首都はマナグアといいます。 エミリオさんの農園があるヌエバ・ セゴビア州は右の地図の赤い部分にあって、本当にホンジュラスとの国境に違い場所にあるんです。
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この茶色の服を着た方がエミリオさん!いかにも優しい~人!といった感じの方です。
カップオブエクセレンスの授賞式で記念のプレートを授与されている様子が左の写真ですね。
エミリオさんおめでとうございますぅ~♪

農園の様子をご覧いただきましょう。いきなりですが、この黒いものはなんだと思いますか?
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 実はこれは自家製の肥料を作る肥やし小屋!?なんですよ。 もう発酵が進んでいるせいで黒ずんでいるわけです。  エミリオさんは肥やしの大半をコーヒーの実の果肉や皮をしようしています。 もちろん日常生活で出る残飯も入れるようですが、わずかしか残飯が残らないので、肥料の役に立ってはいないとか・・(^^;)
 左側半分がなくなっているのは、今年の肥料として既にコーヒーの木の根元に撒いたからだそうです。
 
  その証拠写真が右の写真。確かに木の根元に使われています。 この養分が雨や虫、バクテリアによって地中に浸透していくみたいです。 またコーヒーの木の根は横方向にも広がっていく木なので、横に伸びた根が養分を吸収してくれるのでしょう。 あっ、 忘れていましたがこの肥料・・・かなり臭いです。ハエ君達もブンブン元気に飛び回っています。しかぁ~し! 化学肥料を使わずに、手間のかかるが安全な肥料を作る姿勢が素晴らしいではないですか!

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 コーヒー農園の話なのに、コーヒーの木が出てこないなぁ~と思っている方!ちょっと待ってください。 コーヒーの木の写真よりもこちらの写真の方が面白いですって!(笑) この地面に掘られたコンクリート製の穴、なんだと思いますか?  僕も聞いて「へぇ~~!!」と感心したのですが、云わば「天然ガス発生装置」とでもいいましょうか。  家畜はもちろん、人間の汚物やら何やらを中に放り込んで、小屋全体を隙間ないように密閉するのです。 もう勘の鋭い方はおわかりですね。  天然のメタンガスを発生させて、自宅の炊事に活用しているのです。これって凄いことですよねっ! おならの比じゃないですよ!  写真上に見える黒いチューブが、料理をする奥さんのいる台所まで延びていて、ガスの供給を行っているそうです。  もちろんメタンガスが発生しなくなった残りは、肥料にまわされるのは言うまでもありません。 
 それにしても無駄のない生活をしていると思いませんか? これぞエコロジー! 日本人のやっているエコなんて、これに比べたらエコと呼ぶことも恥ずかしいぐらいですよ。  まぁ日本では現実問題不可能な設備ではありますが・・・。
 
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メタンガスの黒いパイプが家の方に伸びていっているのがわかりますか? 
家庭ごみも敷地ないでは、絶対に燃やさないそうです。肥料にならないビニールなどのごみは地面に穴を掘って、そこに貯め、 月に2回ほどゴミ回収業者が取りにきてくれるそうです。 これはエミリオさんがスターバックスとも契約していて、 スターバックスからの農園に対する厳しい規制の中に盛り込まれている事項だそうです。 環境に最善の配慮をしなければ、 取り引きをしないスターバックスの姿勢が見て取れますね。  他にもエミリオさんが環境に随分と配慮されているのが農園各所に見られます。
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 上部2枚の写真はコーヒー農園内のものです。無駄な枝の剪定を行った後なのであまり茂っていませんね・・・。  後ろの方にバナナの葉っぱみたいなのが見えますが、あれはフルーツバナナではなくて、プランテインという、 芋に味の良く似た主食用バナナで、潰して揚げたりして食べます。 
このプランテインは重要な役割を持っていて、一つはその成長の早さを利用して、 あちこちに植えてコーヒーの木の日陰を作る役割を担っています。 また乾燥時期には、 プランテインの主茎を切断(写真右)して、内部に蓄えてある水を土壌にまくことができます。 天然の貯水タンクになっているわけです。  もちろん切断したプランテインの幹はそのまま肥料になるわけです。 本当に全くの無駄がありません。
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 農園の敷地内がとても綺麗だなぁと見ていると、コーヒー栽培と同時に観光面とイチゴ作りにも力を入れていきたいとのこと。どうりで、 庭が手入れされているしイチゴも休憩中に出てくるわけだ! そのイチゴ、日本のイチゴと比べると小粒で、「あ~すっぱいのかなぁ~?」 と心配したのですが、これが結構甘く、美味しいイチゴだったのが印象的! 甘くて美味しいコーヒーを作る農家の方は、イチゴを作っても上手! ?と思っちゃいましたね。
DSCF0313 エミリオさんの農園以外にも日にちを分けて、あちこち見て回ったのですが、 この一帯の優秀な農園の方々は皆さん顔見知り! しかも自分たちの栽培方や肥料のことなどを情報共有しあっているのです。  そしてその方々がなんとカップオブエクセレンスの入賞者もしくは、 過去に入賞経験のある方々ばかり
 農園ごとに栽培のポイント!というものがあるみたいですが、お互いの農園を見て回り、度々話し合うあたりに、 コーヒーに対する情熱と熱心さが伝わってきます。決して裕福な生活をしているわけではないのですが、 誠実でひたむきにコーヒーに接している様子は、僕を益々スペシャルティコーヒーの虜にさせるものがありました。

 これからもこういう熱心で、美味しいコーヒーを作る為に努力を惜しまない農園の方々とお付き合いをしていこうと思っています。  それが巡りに巡って、皆さんの至福の一杯となるわけですから。

wrote by ミルトンコーヒーロースタリー : 2006年10月22日 13:14