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フランスに何故行ったのか
そもそもスペシャルティコーヒーの品質をチェックするカッピングも、
もとを辿るとワインのテイスティングを改良して作り出したもの。 評価すべき点、着目すべき点など、非常に良く似ているんです。
ちょうど1年ぐらい前から、本格的にワインに凝り始め、コーヒーに通じる部分を数多く見つけてきましたが、
おかげでコーヒーもワインもより深く理解することができています。
そこで、コーヒーの生産者達のもとへ毎年訪れるように、ワインの生産者達にも会って、彼らの頭の中を探りたいと思ったわけです。
結果からお伝えしますと、当然のことながらコーヒーのはるか先をワインの生産者は進んでいますし、
優秀なコーヒー生産者とさほど差はないだろうと思っていた自分が恥ずかしくなるぐらいの積み重ねられた歴史を感じる訪問となりました。
これは自分にとって大変大きな収穫でもありましたし、今後のコーヒーの買い付けやコーヒー生産者達との会話にも影響することになりそうです。
また、今回訪問したワイン生産者や地域も優良であったことも幸いしたと感じています。
実際に訪問したのは、ブルゴーニュ地方。 早朝パリのリヨン駅からディジョンまでTGVで約1時間半の旅。
ディジョンに到着してから車でジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、アロース・コルトンのドメーヌを巡ってきました。
初めてのブルゴーニュですが、さすがワインの王を生み出すだけあって、どこを見渡してもぶどう畑。ただ残念だったのは冬ということもあり、
葉っぱ一枚みあたらず、枝・枝・枝・・・しか見えないことでしょうか。 これが緑の葉で一面が覆われていたら、
素晴らしい景色だろうと思いましたね。
マルサネ、フィクサン村を通りすぎ(本当は全ての村を回りたいぐらいの気持ちでしたが、それは時間がないので到底無理)、ジュヴレ・
シャンベルタン村のフィリップ・ルクレール氏を訪問。
なぜかハリウッッドスターのショーンコネリーと一緒に撮った写真が飾ってありました。
フィリップさんもラモスに似ているような似てないような・・・
ワインのテイスティングの詳細はここでは書きませんが、彼のワインは全体的に骨格がしっかりとあり、パワフルなのが特徴ではないでしょうか。
その場で購入もしましたが、日本で購入するとなかなかの値段が付くんですよ。お買い得でうれしっ♪
実は日本出発前に、ここのワインはコーヒーを思わせる特徴もあるとの情報を得ていたので、非常に興味深かったわけですが、実際飲んでみれば、
たぶん彼のワインのタニックでスモーキーな印象が、コーヒーに例えられたのかもなぁ~ と感じる部分はありました。
次のヴォーヌ・ロマネのミッシェルノエラの場所に着く前に、ミーハーかもしれませんが、ロマネコンティの畑を目に焼き付けてきました。
周辺をラ・ターシュや、リシュプール、ロマネ・サンヴィヴァンなどの畑に囲まれながらも、地層のパイ生地状の恩恵を最大限に受けているのが、
中心のロマネコンティなわけです。 これを土地特有の特徴のテロワールと呼ばずに何というのでしょう。
コーヒーもそこの土壌に風味を大きく左右されるだけに、深く考えさせられる場所でもありました。
このミッシェルノエラのカーブで何種類を試飲させてもらったことか・・・・覚えていません。 ちなみに案内してくれたのは、
息子さんがしてくれました。
彼らの価格の決め方は品質が良いから値段があがるというわけではないそうで、そのヴィンテージ(年)の収穫量で決定するそうです。
コーヒー生産者がバイヤーに売る時も、現在のように相場に大きく左右されるのではなく、
生産者側が自分の判断で価格を決定できるようになったら、どんなに理想だろうと思ってしまうわけです。
そうなればバイヤーも買い付けする際のカッピングにも熱が入るでしょうし、下手なものを仕入れればお客様に支持されず、
売れ残ってしまいます。 また、生産者側も自分のコーヒーの味をきちんととるようにもなり、それに基づいて価格を決めてもいいですし、
ミッシェルノエラのように生産量で結果的決めてもいいでしょう。
次のミシェルヴォアリックでも、案の定飲みましたねぇ~。 ここはコートドニュイ地方からコートドボーヌに入ったすぐの場所にあるのですが、
白を主体に作ってまして、いいワインをここも作るんですよっ♪
ここの土壌もまた粘土質・石灰質のレイヤーになっていて、作り出されるワインも長期熟成タイプのものが多いんです。
その中でも早飲みタイプで村名ワインのアロース・コルトンを何本か購入。 コルトン・シャルルマーニュも試飲、購入しましたが、
これは僕の床下セラーに何年か寝かせて、飲んでみようと思います。
カップオブエクセレンスのコーヒーや、産地でもたまにお目見えする素晴らしいコーヒーと同じく、ワインに関しても口にした瞬間に、
レベルの高いものはわかりますね。 カッピングするとより一層解りますが、ワインでそれを人前でやるとヒンシュクものなので、
しませんでした。 テイスティングのときは、吐き出すのはコーヒーもワインも一緒ですが、美味しいものに当たった時は、
気分的に吐き出したくない感情に駆られます。 そして「あ~幸せっ」と思ってしまいますね。
まだまだ書き足らないことばかりなのですが、初めてミルトンのホームページを見に来たお客さんが、ワイン屋と間違えてはいけないので、
ここらへんにしておきます。 それにしても実になるブルゴーニュツアーでした。 やっぱりコーヒーもワインも産地最高!
wrote by ミルトンコーヒーロースタリー : 2009年01月09日 21:57