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17:30
僕はなるべく自然栽培でのコーヒー栽培を望んでいます
ちょっとご無沙汰気味の産地の写真です。
今日お話したいのはコーヒーの実や花の話ではありません。
地面のお話です。
上の写真は、ミルトンでもお馴染みになってきたセルジオ・パグアガさんの所有する「ラ・ベンターハ農園」で働く女性ピッカー
(摘み取り作業者)の写真ですが、足元を見てみてください。
この場所が若干日陰なので、背の高い雑草が多い茂っているわけではありませんが、コーヒーの木と共存して草を生やしています。
こちらはセルジオ・オルテツさんの所有する「エル・ポルベニール農園」の植えて間もない苗の写真です。
こちらもシダや他の草花と一緒に共存させているのが見てとれますよね。
これって僕の中では結構重要視していることで、以前まではエル・ポルベニール農園でも、
コーヒーの木周辺の雑草やシダを取り除く作業をしていました。 今はその重要性に気付き、取り除かれていません。
皆さん、自然栽培ってお聞きになったことありますか? たぶん有機栽培や減農薬栽培などと、ごちゃまぜになっている方も多いと思います。
JASオーガニックの認証を受けたコーヒーや野菜などもありますが、僕はオーガニックは良い!と決め付けるのはどうかな・・・
ましてや化学肥料や農薬に頼るのはもってのほかで食べたくない。と思っている側の人間です。
ミルトンがお付き合いしている農家達が使っているオーガニック肥料にしても、農薬を減らして育てる減農薬栽培にしても、
人間が手を加えていることには変わりないわけで、土壌の成分は自然が作り出したものではありません。 素材は自然のものであったとしても、
それらを人工的に栄養素を作り出し、それを添加することも、どうなんだろう・・・と思ってしまいます。
まぁ、こうやって言うのは簡単ですが、
実際の作る側は今までのコンベンショナルな方法から急に自然栽培に切り替えることは生産者達も生活がかかっていることですし、
難しいと思われます。
僕はコーヒーの産地へ出向くようになり、また生産者達とメール交換をするようになり、自然の力を利用して土壌を豊かにし、
他の草花と共存させる方向性を話しあうようになりました。 少しずつでもいいので、
将来に向けて自然に近い状態で安全で美味しいコーヒーが栽培できるように、努めてもらえればと思いながら、彼らとも話をするわけです。
僕が消費者の立場なら、体に取り込んでも安心できるコーヒーを飲みたいですし、現に僕も1日何杯も飲んでいるわけですから、
皆さんと同じように気にしています。
今は有機肥料を自分のところで作っている農家がほとんどで、
化学肥料も花の開花時期に合わせて少量まく程度の生産者が僕がお付き合いしている農家の大半をしめています。
でも生産者の中には土壌の自然回復を促しながら、ゼロ肥料・ゼロ農薬を実現したいと願う生産者達もいます。
ここのところの肥料の価格高騰も影響しているとは思いますが、いい傾向だと僕は思っています。
僕は産地に買付けの為に行っていない時は、農業の勉強もし、本も読みあさり、時には自分の庭に野菜を植えたり、
草木を植えて実験も行いながら、何か産地に還元できることはないかと模索しています。
上の土の写真はエル・ポルベニール農園のものです。 ちょっと表面の枯葉を掻き分けただけで、ゴロゴロした腐葉土が顔を出します。
バクテリアや虫、ミミズのおかげで、理想的な土壌になっています。 その更に下の土はミルフィーユのような土壌の層になっていて、
コーヒーの木の根が這い易い環境になっています。 まるで、人間の手が加えられていない森の中の土壌に似ています。 土の香りもいいです。
少ぉ~しずつですが、遠く離れた生産者達との試みは始まっていますし、これからもお互いが情報交換をしながら、皆さんにとびきり美味しくて、
安全なコーヒーが提供できるよう努力していきます。
ちなみに今回紹介しましたベンターハ農園とエル・ポルベニール農園のコーヒーは6月下旬ぐらいに日本に到着する予定です。
現在販売中のティエラ・リンダ農園も同時期に新しいものが到着するので、楽しみにしててくださいね。
wrote by ミルトンコーヒーロースタリー : 2009年05月25日 17:30